ナリカワLAB

管理人ナリカワが日々の研究成果を書く私的ニュースブログ。

【読書】写真を使わないレシピ本"ムーミンママのお料理の本"がそそる

 こんにちは、ナリカワです。 11個目!

 今日も名作を一つ紹介したい。

 

作:サミ・マリラ 絵と引用文:トーベ・ヤンソン 訳:渡部 翠 講談社 1996年

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裸エプロンがそそる、とかそういう話ではない。

 

料理は作って覚えるもの

 この本には150種類程のレシピが載っています。しかし、この本が優れている点は、レシピが沢山載っているとか、説明がわかりやすいとか、その通り作るだけで美味しいとか、でもありません

 

 とはいうものの、気になる人もいることでしょう。実際にどんなレシピが載っているのかというと、「カスタードソース」や「ココア」や「ラスク」の作り方から、「薫製の魚」「ムーミン屋敷の冬サラダ(ロソッリ)」「フィリフヨンカの残り物箱(箱とはグラタンのこと)」など、普段用からちょっと手の込んだレシピまで幅広いです。

ココア KAAKAO

 牛乳はこげやすいので厚底のなべを使います。なべの底にひたひたになるくらいの少量の水をはっておいてから牛乳を入れます。

 混ぜながら沸騰させ、なべを火からおろして、ココアをだまにならないようによく混ぜながら加えます。色を見ながら量を加減して、うすいのが好きな人は少なく濃いのが好きな人は多く入れます。

 カップに注ぎ、佐藤は各自好みの量を加えます。生クリームの泡立てたのを浮かべれば、ちょっぴり贅沢な気分!

 こうした文章からムーミンママのやさしさも伝わるようですが、僕がこの本を開いて名作だと感じたのは、こうした点ではないのです。この本には他にいくつもの優れた点がありました。

 

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お料理をする人のこころえ

 本を開けてすぐ「死ぬほど大変なことなんてない、たとえ料理に失敗したって大したことではない」と前置きしつつも、”お料理をする人のこころえ”として料理を始める前に材料や器を用意する、下ごしらえもあるし前日の作業も多い、明日の料理の計画を今日立てておかなければいけない等、大変なことがたくさん書いてある。

 僕はここが気に入っていて、ムーミンママから本当のことを教えてもらっているような気持ちになるのだ。

 そして、「薫製やジュースづくりは料理上手な人に手ほどきしてもらうのが無難」「はじめて料理する人はやさしいものから挑戦してください」と言い、「料理が楽しくなってくるころには、この本のレシピに自分なりのアレンジが加えられるようにもなることでしょう」「基本的な方法のみをのせてあります」といったことが伝えられます。

 

 僕はこれを読んで、なるほどこの本の狙いは何度も料理を作ることかと感じました。一夜限りのもてなしのためだけではなく、毎日の食卓から友人が訪ねてくるときも"おいしくてステキなひととき"をつくってあげられるようになる、このことを最終目標としているのです。それは、ムーミンママの台所でミィたちがくつろいでおしゃべりしている様子がお手本です。

 

 

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"ムーミンママのお料理の本"に感じる機能美

 このような大きな目標達成のためには、長く置いておける本、何度も開きたくなる本でなければいけないと思います。

 特に、長く置いておくなら表紙や装丁は素敵なものが良いですよね。来客の際でも家族との会話でも、この本自体が話のタネになることもありそうです。

 そして、誰でもおもてなしするなら「10分で作れる簡単カフェ料理」みたいなタイトルのレシピ本をお客様に見せたいとは思わないはずです。

 もちろん美味しい料理が作れて、それでOKというのも本当だと思います。でも、このレシピで作ったんだって話しをしたときに、僕が嬉しいのは"ムーミンママのお料理の本"ですよ。さらに、レシピからこうアレンジしたなんてことまで笑顔で言われたら惚れます

 

 料理上手、つまり空気も含めて気持ちのいい食卓を作れるようになる、ただ料理を作るだけでなく、そこまでしてくれる実用本としてみると、なかなかこれは名作だと思うわけです。まだ料理が上手ではないのに本格的な本を家に置くのは気後れしちゃうし、かといって「5分で作れる」とかがタイトルについちゃってる本はあんまり愛が感じられないかなとか、おもてなしの相手は気にしないかもしれませんがこちらが気になってしまいますよね。

 

 でも、こうしたことは理屈で覚えるよりも、愛情で知るものかもしれません。だから僕は、"ムーミンママのお料理の本"は極上の愛情が詰まった美味しい本だと思うのです。

 

 

ムーミンママのお料理の本

ムーミンママのお料理の本

 

 ではまた

【音楽】ピタゴラスイッチの人が"ビッグブリッヂの死闘"をアレンジしたらゲーム音楽じゃなくなってた

 こんにちは、ナリカワです。 10個目!

 今日も名作を一つ紹介したい。

 

 

CureSQ" 栗コーダーカルテット 2013年12月11日

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豪華メンバーなのにリコーダーで20年

 上の画像を見て、「なんだー、若い女の子がリコーダー吹くだけかー?」と思うのは大間違い。

 

 中の人は渋めのオッサン達だよ!

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 今回は栗コーダーカルテットが全曲担当した、ゲームミュージックのアレンジ・コンピレーションアルバム”CureSQ"の中から紹介していきたい。

 

 まず、栗コーダーカルテットはご存知だろうか?僕はゲーム音楽が好きで"CureSQ"を購入してからこの名前を知った。が、ご存知の方はきっと「ピタゴラスイッチ」や「あずまんが大王」でその名前を見かけたのではないだろうか。

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  実は各メンバーの個人活動も多忙だし、グループとしても日本はもちろんヨーロッパツアーや海外公演をして回る実力派音楽グループだ。個人活動の話を引用するが、CMでもポカリやSONYVAIO花王キュキュット等、活動の舞台はゲーム音楽ではなく、一般に知名度の高い場所(テレビ)と言える。

 

 余談だが、僕はここにゲーム音楽のアレンジアルバムという業界における"CureSQ"の独自性を感じる。

 

 そんな彼らが、スクウェア・エニックスゲーム音楽をアレンジする「SQ MUSIC」に参加。このシリーズの他アルバムは参加アーティストが複数で構成されているのに対し、この”CureSQ"だけは栗コーダーカルテットだけで一枚のCDになっていることにも注目してほしい。

 

 

名作かどうか疑問に思っている人へ

 今回の記事を書いていて一抹の不安を覚えるのは、読者の方はいつもの記事よりも名作感が薄く感じられているのではないかということだ。

 

 たしかに、古典の記事の場合は、時代を超えて愛されている時点で既に名作の証明となっている。例えば、昨日書いた"富嶽百景”の記事は太宰治のネームだけで、つまり名声が高いために、名作かどうか疑う人は減るだろう。

 

 しかし、時の試練を受けなくても、つまり古典とならなくても名作と呼べるものはある。一昨日書いた"荒木飛呂彦の漫画術”の記事は、その作品が優れていることを証明することで名作だと感じることができたと思う。

 

 実は、今回の記事は作品が新しく古典のような名声がないため、まずみなさんに「ピタゴラスイッチ」やCMの話などを紹介し安心してもらった。だが、この手の名作を紹介する際に重要なのは、やはりその作品が優れていることを証明することだろう。

 

 そのための準備として、まずビッグブリッヂの死闘の原曲をおいておく。

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微妙なアレンジをファンは絶対受け付けない

 ビッグブリッヂの死闘ゲーム音楽の古典といっても構わない曲だ。人気のあるゲーム音楽は色々ある。例えばオーケストラなドラゴンクエストの序曲や、ラテンジャズのようなスーパーマリオブラザーズの地上BGMとか。

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 そのため、ドラゴンクエストのオーケストラアレンジやマリオのジャズアレンジというのはCD化されるし、原曲ファンが受け入れやすい

 結局みんな原曲サイコーって言うことは多いんだけど、なかには名アレンジもでてくる。

 そして、ビッグブリッヂの死闘はバトルBGMなのでロックアレンジやらメタルアレンジやらと、より激しくなるアレンジが受け入れられている。中にはピアノアレンジもありなかなかの人気があるし僕も好きだが、どちらにしろ原曲の人気を超えているとは思わない。思い出補正もあるからね。

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 こんな感じ。

 

 しかしですよ、”CureSQ"はタイトル通り「癒し」がコンセプトのアレンジアルバムです。以下、収録曲。

1. オーバーチュア~オープニング (from Romancing Sa・Ga

2. Eat The meat (from 魔界塔士 Sa.Ga) 

3. ビッグブリッヂの死闘 (from FINAL FANTASY V

4. ゴゴのテーマ~スラムシャッフル (from FINAL FANTASY VI

5. 勝利 (from FINAL FANTASY

6. 赤い翼 (from FINAL FANTASY IV

7. Go! Go! ブリキ大王!! (from LIVE A LIVE

8. 風の憧憬 (from クロノ・トリガー

9. デブチョコボ登場 (from FINAL FANTASY IV

10. ガウのテーマ~リルムのテーマ (from FINAL FANTASY VI

11. メインテーマ (from FINAL FANTASY

 まじマニアにとっては名曲揃いすぎてもうテンション上げ上げ間違いなしでしょう。

 でもこれ、全部リコーダーだから!って見た時点でファンのテンションはだだ下がり

 

 なぜなら、ダメだっておもうから。

 

 ブリキ大王や風の憧憬やガウのテーマとかは、たしかにこのアレンジアルバムに入ってくるのもわかる。実際、僕のお気に入りは”スラムシャッフル”や”風の憧憬”だったりする。このアレンジめちゃくちゃ良いですよ。

 

 でも、この中で一曲だけ紹介するなら”ビッグブリッジの死闘”なんです。

 

 だって、”風の憧憬”をバトルアレンジしたら、みんな最初は拒否反応もつでしょ?(風の憧憬知らない人、ごめんなさい)

 

 というわけで、とりあえず栗コーダーカルテットによる”ビッグブリッヂの死闘

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 微妙なアレンジだと原曲ファンはすぐ拒否反応がでると思います。これを成功させるには相当な技術が必要です。

 

 にもかかわらず、僕がこのアレンジを聴いて一発で、

 

 

・・・アリだな(確信)

 

 となったのは(上から目線で記事を書きましたが><;)、栗コーダーカルテットの実力がめちゃくちゃ高いからです。

 

 そして、「ゲーム音楽ビッグブリッヂの死闘」が聴きたくてこれを再生するのではなく、「栗コーダーカルテットビッグブリッヂの死闘」が聴きたくて再生するようになりました。

 

 この”CureSQ"に入っている全ての曲が僕の中でゲーム音楽として聴くのではなくなったのは、”CureSQ"が名作だという証明になると思うのでした。

 

 

 

 

Cure SQ

Cure SQ

 

 

 ではまた

 

 

【読書】読んで歩ける、リア充のための”富嶽百景”

  こんにちは、ナリカワです。 これで9個目!

 今日も名作を一つ紹介したい。

 

 

 太宰治 1939年

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富士山にはたくさんの絶景がある

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 どれも絶景です。

 このように富士山のビューポイントは沢山あるのですが、 ”富嶽百景”はその中でも河口湖を舞台とした小説です。小説といっても、

1938年(昭和13年)9月13日に太宰は、井伏鱒二の勧めで山梨県南都留郡河口村(富士河口湖町河口)の御坂峠にある土産物屋兼旅館である天下茶屋を訪れる。 Wikiより引用

 ここでしばらく生活した太宰の実体験が素材で、そのため登場人物も太宰たちそのままの姿で登場している。そして、15000文字程度の短編なのでリアルが多忙な人でも気軽に読める

 

 

リア充になれるかどうか、ここで決まる

 ”富嶽百景”の作中で太宰達が登った三ツ峠の登山ルートは、今でも整備されており日本ウォーキング協会認定コースとなっています。

 しかも健脚度は三段階評価でもっとも易しく、登山が苦手な彼女でも大丈夫

 

 女の子と富嶽百景デートで絶景を見る…

 やったね! これで君もリア充になれるぞ!!

 

 なんて、僕はこの記事でそんなことを伝えたいわけじゃありません。

 むしろ、これはリアルが充実していないからこそ生まれてしまう欲望のままの発想と言えましょう。これから本当にリア充になるべき気持ちを紹介します。

 

 導入が長くなりましたが、

 

 僕は富嶽百景”を読んで、本当に不幸(リアルが充実していない状態、河口湖で生活する前は、二回の自殺未遂や鎮痛剤パビナール中毒による妄想に愛する妻の裏切りなど、深い傷を負っていた)だった太宰治が、まともな、健全なこころで、それがまさにリア充になるべきこころを持って、快復に向かっていく日常の風景を強く感じることができたのです。これは本当に気持ちのいいことだと思います。

 実体験が素材の小説ですから、本当にほのぼのした日常の話が描かれています。文学ですから、このあたりを楽しんでもらいたいです。

 

 少しですが、序盤にあるエピソードを一つ紹介します。ここだけでも、僕が感じたこと伝わると思います。

私が、その峠の茶屋へ来て二、三日経つて、井伏氏の仕事も一段落ついて、或る晴れた午後、私たちは三ツ峠へのぼつた。三ツ峠、海抜千七百米。御坂峠より、少し高い。急坂を這はふやうにしてよぢ登り、一時間ほどにして三ツ峠頂上に達する。蔦つたかづら掻きわけて、細い山路、這ふやうにしてよぢ登る私の姿は、決して見よいものではなかつた。井伏氏は、ちやんと登山服着て居られて、軽快の姿であつたが、私には登山服の持ち合せがなく、ドテラ姿であつた。茶屋のドテラは短く、私の毛臑けづねは、一尺以上も露出して、しかもそれに茶屋の老爺から借りたゴム底の地下足袋をはいたので、われながらむさ苦しく、少し工夫して、角帯をしめ、茶屋の壁にかかつてゐた古い麦藁帽むぎわらばうをかぶつてみたのであるが、いよいよ変で、井伏氏は、人のなりふりを決して軽蔑しない人であるが、このときだけは流石さすがに少し、気の毒さうな顔をして、男は、しかし、身なりなんか気にしないはうがいい、と小声で呟いて私をいたはつてくれたのを、私は忘れない。

 

とかくして頂上についたのであるが、急に濃い霧が吹き流れて来て、頂上のパノラマ台といふ、断崖だんがいの縁へりに立つてみても、いつかうに眺望がきかない。何も見えない。井伏氏は、濃い霧の底、岩に腰をおろし、ゆつくり煙草を吸ひながら、放屁なされた。いかにも、つまらなさうであつた。パノラマ台には、茶店が三軒ならんで立つてゐる。そのうちの一軒、老爺と老婆と二人きりで経営してゐるじみな一軒を選んで、そこで熱い茶を呑んだ。茶店の老婆は気の毒がり、ほんたうに生憎あいにくの霧で、もう少し経つたら霧もはれると思ひますが、富士は、ほんのすぐそこに、くつきり見えます、と言ひ、茶店の奥から富士の大きい写真を持ち出し、崖の端に立つてその写真を両手で高く掲示して、ちやうどこの辺に、このとほりに、こんなに大きく、こんなにはつきり、このとほりに見えます、と懸命に註釈するのである。私たちは、番茶をすすりながら、その富士を眺めて、笑つた。いい富士を見た。霧の深いのを、残念にも思はなかつた。

 僕も登山デートが悪天候だろうと余裕のあるこころもちでその場の雰囲気を楽しみたいと思うのです。これは、どんなときでもしっかりこころを向き合わせることで可能になると思います。せっかくのデートを台無しにしちゃ、ちょっとダサいよね。だって、絶望に暮れてた太宰治でも、こんなにまともなこころで茶店の老婆と楽しむことができるんです。実物の富士山が見れなくても、写真の富士山を見て良い富士を見たってのは、やっぱ格好いいね。

 他にも、富嶽百景の中で太宰治は天来の素質で持つモテ技を繰り広げます。(笑)

 

 実際この頃が太宰治の文学における中期にあたり、"走れメロス”など健康的な名作を世に生み出していきました。暗いのが苦手な方も、このあたりの太宰治なら読めると思います。

 

 もし、今日の記事で、あなたがタイトルを見てクリックしたときの気持ちよりも優しい気持ちになれたなら、富嶽百景”という名作の力が伝わったのかなと思います。

 

走れメロス (新潮文庫)

走れメロス (新潮文庫)

 

 ではまた

【読書】"荒木飛呂彦の漫画術"を読んで

 

 こんにちは、ナリカワです。 今日で8回目!

 今日も名作を一つ紹介したい。

 

 

荒木飛呂彦 集英社新書 2015年4月22日

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荒木先生のノウハウ、役にたたないハズがねェーーーッ!

 荒木飛呂彦が自身の努力で練り上げたノウハウを惜しげもなく紹介するこの本。ノウハウというのは漫画の描き方がベースだが、自身がプロの漫画化になるために、またプロになってからも壁にぶち当たってきた際、何を分析しどう対処してきたか。この本にはそうしたことが書かれている。

 漫画ですから特にどうすれば読者の興味を惹くのかというものが多く、我々のような漫画家ではない人間の想像では追いつかない工夫が凝らされていることに感嘆した。

 僕は今日まで書いてきた記事に「どうも読みたくならないぞ」と疑問を感じていたのですが、この本を読んで光が差し込みました。

 以下、"荒木飛呂彦の漫画術"を読んで自身のブログに反映させようと思った工夫。

 

 必ず成長するように描く

 荒木先生は漫画のストーリー作りをするとき、まず起承転結を考える。

 その次に、主人公は「常にプラス」に向かっていかなければならないとするそうだ。

 主人公がどんなに頑張っても努力しても、結局最後には負けてしまう、死んでしまう。そんな漫画だれも読みたくないのだ。僕もそう思う。そんなの読み続けたら落ち込む。さらに、主人公がふらふらしたり、上がったのに下がるのもダメだという。

 もちろんバッドエンドで成り立たせる例外はあるが、それは「常にプラス」の基本を知ったうえでできるようになるもので、深く読み込めば「常にプラス」の法則にかなっているという。そのあたりは本を読んで理解してほしい。

 

 ここで漫画からブログに置き換えてみた。僕のブログはストーリーも起承転結も主人公がプラスだとかもさっぱりないぞ。これは反映させてブログをアップデートせねばなるまい!

 

 まず、ストーリーはよく考えることができなかった。

 しかし、このブログの主人公が誰かは明白だ。

 管理人である、この僕です。僕は常に「プラス」に向かわなくてはならないッ!

 

 そこを決めてからだが、ストーリーのようなものを設定した。それは僕が名作をひとつずつでも紹介し、その紹介した数が増えるほど「プラス」に向かう。僕はそういう旅にでたことにする。いつの日か、この人が言うなら間違いないと言われるような実力や名声を得るために。無謀に思われるかもしれないが、僕が地道に続ける覚悟を持っているとするなら、それは勇気として映ることだろう。

 荒木先生曰く、

「勇気」こそが最も共感される

 

 

 そして、これを反映させようと考え今回から取り組んだのが冒頭にある

 

 こんにちは、ナリカワです。 今日で8回目!

 今日も名作を一つ紹介したい。

 

 だったのでした。前回よりもあなたにとって魅力的でない名作が紹介されていた場合、読者のテンションが下がると思ったのです。つまり、名作の魅力具合がプラスマイナスを決めるものではなく、記事の数がプラスマイナスを方向付けるものとしたかったという狙いです。ジョジョの第三部でも、エジプトに向かう道中の敵の強さや味方の強さで図るのではなく、エジプトに着実に向かっていることで、各話にて主人公たちが「常にプラス」となる工夫をしたそうです。

 次回も続けてみます。

 

見えないものを可視化する

 荒木先生は、絵とは何かという話で、

絵の本質的な役割は、見えないものを可視化して伝えることだ

と考えを述べていました。

 描き手は何を伝えたいのかと言えば、愛や友情、正義など目に見えないものであり、見えないものを絵にしないといけない、と。見えないエネルギーの破壊力を表現したりするのもそうです。大友克洋先生は世界観や雰囲気の可視化が非常に上手ということや、鳥山明先生によるシンボル化の意味等にも言及しています。

 僕も、例えば岩明均先生は切なさの心理描写がとびぬけて上手いなとか、漫画でも他人が描いていない分野に踏み込むということが大事らしく、それは可視化の点においても特に影響があるなとか思いました。

 音楽も目に見えないが、それを可視化しているのが音符で、見た目が美しい楽譜はやはり良い音楽だということも、荒木先生は調べたようです。

 

 これらから、僕のブログはどうすれば他人が描いていない分野に踏み込めるんだろうと考えました。僕のブログは何を可視化できるんだろう。

 僕のブログは名作を紹介するわけですから、目に見えない名作のパワーを伝えることが目的です。結果、名作の持つパワーを文章によって可視化する。まずこれは絶対できるようになるべきだと確信することができました。

 

 さいごに

 僕のブログの内容がこうまで変化したことで、"荒木飛呂彦の漫画術"がもつパワーは可視化されたと感じましたか?感じていれば僕の試みは成功です。

 ブログに役立つ点がまだまだ書かれていたことはもちろん、他にも役立つ内容ばかりでおススメの一冊でした。

 さすが荒木飛呂彦、俺たちにできないことを平然とやってのける。

 そこにシビれる!あこがれるゥ!

 

荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

 

 ではまた

 

【音楽】モーツァルト:レクイエム(カール・ベーム,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

レクイエム ニ短調 k.626

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 作曲

カール・ベーム 指揮

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 演奏

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モツレクファンが最後に辿り着く場所

 未完にも関わらず「三大レクイエム」に数えられるモーツァルトのレクイエム。僕が初めて触れた「三大名曲」といえば「ドラキュラ三大名曲」とされる”Beginning”、"Bloody Tears"、"Vampire Killer"に違いないが、尺の違いにも関わらずモーツァルトのレクイエムの方が繰り返し聴いているのではないか。それほどに、一生聴き続けても感動が衰えない名盤中の名盤。どれだけ支持されているからAmazonの評価で他と見比べてみれば一目瞭然だろう。

 人にこれをおススメするときはいつも、「黙って聴け」と思ってる。あと初見では「モツレク」って略し方に慣れずちょっとウケる。

 

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ジュースマイヤー版、カール・ベーム指揮

  上で述べた通り、レクイエムはモーツァルトが死の直前に作曲していたもので未完のまま没してしまった作品だ。そのため死後にモーツァルトの奥さんコンスタンツェに依頼されたジュースマイヤーが補作した。しかし、ジュースマイヤーの補作がモーツァルトらしくないと批評されてしまう。結果、新たな補作としてバイヤー版やらモーンダー版やらかなりの数の補作がでている。それらも有力な補作として完成しているが、とりあえずもっとも演奏されるのはこのジュースマイヤー版である。正直クラシック素人の僕にはこの辺さっぱりだが、この演奏が良いことはわかる。

 カール・ベーム指揮によるこの演奏は他と比べスローテンポらしいが、僕はこれがスタンダードになってしまっている。しかし、このスローさがめちゃくちゃ音を聴かせてくる。通な人によると、音が湧き出るらしい。僕も聴きたくて聴きたくて震える。

 

さいごに

 書いてて思うんだけど、おススメしたい音楽はたしかにいっぱいある。でも読む人はそんなにいろいろ興味ないんじゃないかと思う。おススメする音楽の種類くらい統一したほうが良い気がしてきた。笑

 クラシックは読書しているときに聞くことが多いんだけど、他にもゲーム音楽は読書中によく聞く。次は懲りずにジャンルを変えてゲーム音楽とかも紹介したいな。

 

モーツァルト:レクイエム

モーツァルト:レクイエム

 

 

 ではまた

【読書】松下幸之助 一日一話

PHP総合研究所

 

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ハングリー精神を取り戻せ

 このはなんといっても実用本として効果が素晴らしいです。本の内容も簡単で、決して難しいことは書いてありません。僕は21歳頃に読みました。当時は就職活動も何をしてよいかわからずじまいで・・・、勉強しなきゃと思って購入しました。世間的に名作とされているからという動機でした。しかし、先日たまたま本棚から取り出してみて、「うわ・・・今の私の努力低すぎ・・・?」とこの本に気付かされてしまいました。

 内容はというと、1月1日から12月31日まで、松下幸之助の書いたコラムを毎日1つ(250文字程度)を紹介してくれるものです。

 例えば5月12日のタイトルは"使い捨てと経済性"。

高度成長の時代に「使い捨て」「消費は美徳」という考え方が浸透しました。私は時どき注射を打ちますけれども、見ていると一度使った注射器をすぐ捨てています。もったいないじゃないかと言ったら、消毒するガス代、水道代、洗う手間を考えたら捨てる方が安いというのです。なるほど、生産の経済性というものがそこまで上がったのかと驚きました。

使い捨てというとたいへんもったいなく思えますが、実は経済の法則にかなっているのです。しかし昔のことを知っている人間には、やはりもったいないという考えはある。その考えは尊く、それはそれで残し、経済性も重んじるということが必要だと思います。

  これを見ると、やはり最後の一文から明治27年生まれの偉人の大きさが伺える。

  僕はこの本を読む際に気をつけていたルールがあって、毎日必ず読むことと、必ず1コラム1箇所は傍線を引く、そしてその日は線を引いた内容を意識して行動するということです。1月1日から12月31日まで毎日欠かさずやってみたんですね。

 といっても毎朝5分かからずできる作業ですから、どんな忙しい人でもできる簡単なことだと思います。

 しかし、最近の僕にこのような姿勢、勉強への熱意というか向上心というか、当時と比べたらハングリーさがだいぶ欠けているなと気付かされてしまったわけです。

 松下幸之助は、「人事を尽くして天命を待つ」とまで言うほどですから、よほどハングリーな男なのでしょう。

 

毎日簡単にできる小さなことをコツコツと

 この本の特徴は、毎日1つのコラムを読んで考えるという習慣を着けてくれることです。書いてある内容も深みのあるものばかりですが、文章量は短く、どんな本にも言えることですが書いてあることだけやればいいというものではありません。

 だからこそ、この本は毎日違う内容で、しかも少量ですからこの本に書いてあることが全てというわけではなく、これを読むという経験や習慣によって得られるものが大きいのだと僕は考えています。

 僕はあらためてこの本をとり、かつてのハングリーさを取り戻しました。

 

実は他の一日一話シリーズも名著揃い

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 僕は最初こそ松下幸之助から入りましたが、翌年は鍵山秀三郎の一日一話により衝撃を受けました。彼はイエローハットの創業者ですが、こちらは特に思いやりの心や、彼の趣味である掃除の哲学がたくさん書かれています。こちらも松下幸之助のものに決して負けない名作です。

 

さいごに

  追記:書いたつもりで消えてました(><

  新書系も書いてみようかな。荒木飛呂彦の漫画術を買ってみたので、そのうちレビューしたい。

  話逸れちゃったけど、毎朝人生のお手本みたいな記事読むのは結構テンションあがりますよ。

 

松下幸之助「一日一話」―仕事の知恵・人生の知恵 (PHP文庫)

松下幸之助「一日一話」―仕事の知恵・人生の知恵 (PHP文庫)

 

 

鍵山秀三郎「一日一話」―人間の磨き方・掃除の哲学・人生の心得

鍵山秀三郎「一日一話」―人間の磨き方・掃除の哲学・人生の心得

 

 ではまた

【音楽】Empire State of Mind

Empire State of Mind

JAY Z - The Blueprint 3 (2009年)

 

Empire State of Mind, Pt.II - Broken Down

Alicia Keys - The Element of Freedom (2009年)

 

ポン菓子にチョコレートをコーティング

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 HIPHOPR&Bの合わせ技。この曲は”Empire State of Mind, Pt.II - Broken Down”というアリシアキーズがソロで歌うアンサーソングがあります。そちらを子供たちが歌う動画を見て「あぁこれは名曲だなぁ」と感動しました。(最後に貼っておきます)特に日本人から見るとまさに異文化なので感動が大きいのかもしれません。本人でもプロでもない動画でハマるケースが稀だったので、紹介したい。

 

最優秀コラボレーション歌謡曲

そんな僕の感想はおいといて、 音楽評論家から肯定され大衆的にも大ヒット、Billboard Hot 100で5週連続1位を獲得という実績のある名曲ニューヨーク市へのアンセムだが、イギリス、カナダ、オーストラリア、フランス、イタリア、スウェーデン等いくつもの国でヒットしている。そうした国と比べると日本では知られてない方なのかも。

 

アリシアキーズに夢中

 まずは”Empire State of Mind”。キーズのスタイルが良すぎて惚れる。

 

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 あんまりキーズがカッコいいから調べて見て、Pt.IIの存在を発見したのでした。

 

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 ソロはこんな感じ。良い曲だし繰り返し聴いてるけど、やっぱりジェイジーがいないとちょっと寂しい気もする。

 

Empire State of Mind, Pt.II - Broken Downから見える異文化

 なんとなく日本人が”上を向いて歩こう”を聴いて感じるノスタルジーみたいなのがあるのかなーと思っていましたが、これを見ていいなーと思ったんですよ。

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  途中のソロでラップを歌う少年のしぐさがイケメン。笑

 

さいごに

 アリシアキーズはベートーヴェンショパンモーツァルトやエリックサティなどのクラシックに幼少の頃から触れていたそうです。このラインナップが好きな人は共感できるもの多いかも?

 実はファーストアルバムのイントロがベートーヴェンの月光だったりする。クラシックもいいですよね。好きです。

The Element Of Freedom

The Element Of Freedom

 

 

 

Empire State of Mind (feat. Alicia Keys)

Empire State of Mind (feat. Alicia Keys)

  • ジェイ・Z
  • ヒップホップ/ラップ

 

ではまた